重文奥家住宅の茅屋根 蔵 木小屋 外回りの漬物小屋の修理工事 令和7年8月度月報
- 全国重文民家の集い

- 9月13日
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1.はじめに
茅屋根の挿し茅工事は盆明けには完了し周囲の足場解体・養生撤去をおこなった。
勝手口門 塀は材料手配中である。 木小屋は土壁の新設中である。(乾燥に時間がかかる)
漬物小屋・物置も材料手配中。
土蔵は土蔵の壁 中塗り 砂漆喰 漆喰工事を進めている。
2.茅屋根の挿し茅工事

茅葺屋根の両妻の開口口をふさいだ。
鳥 蝙蝠 昆虫などの侵入防止

この近辺をうろついているアライグマの侵入防止

この材料は孟宗竹の根でその根を削って
屋根の飾りとして使うこの地方独特の様式
加工がむつかしく製作に数日かかった

左の棟竹加工したものを胸に取り付けたところ

今回茅屋根の挿し茅工事を完了したことで
①茅の工事をする人達から施主に対してのアドバイス、留意点など報告予定
②この加工を希望する皆様への施主としての留意点について 報告書作成予定
3. 工事途上の見学会実施

木小屋の建築年代1805年 大工さんの名前喜八
施主佐々木(奥)武十郎 の墨書など説明
見学者からは小屋の腰壁の状況からこの地方に
古くからある ’灰小屋‘ ではないかの質問
が出てきた。 調べていただいたところ
構造 様式はまさに‘灰小屋’であるがこの小屋で
火を使用した形跡がなかった。

見学者にはヘルメットを着けていただき控室で挿し茅作業のビデオ見ていただき現場で説明を聞いていただいた。
皆様大変興味深く観察できたとのお言葉をいただいた。
見学会は猛暑の中実施しましたが皆様熱心に見学され、特に‘灰小屋’の質問は我々も大変
参考になった。 多くの家に戦前 ‘灰小屋’ ‘木小屋’ があったと聞かされました。
灰小屋では落ち葉 小枝を小屋の中で蒸し焼きにしその灰を肥料として使っていたようです。
その歴史は長く400年前からこの地方では多く活用されたようです。
腰壁が土壁と大きな石で作られているのは一つの利用ではないかと思います。



