重文奥家住宅 茅屋根 蔵 木小屋 外回りの漬物小屋の修復工事 令和7年10月度月報
- 全国重文民家の集い

- 10 分前
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1, はじめに
挿し茅については全国寺社等屋根工事技術保存協会の返事をお待ちしている状況。
木小屋は腰壁の修理が完了し(写真―5参照)今後床部分の整地、小屋の外側の竹の根の侵入防止処理を11月に予定している。(竹の根侵入を防止しないと小屋の中にタケノコが生えてくる―写真―12の小屋外側の1mに遮断工事)
土蔵は畳敷が終了した。 今後(箪笥 本箱 物居等)を中に入れる予定である。
外回りの小屋は先月に引き続き修理進行中である。
11月には次世代の人達が当家を訪れ工事の状況 奥家の水回りの状況見学の予定である。
今後の維持管理をはじめ修復工事についても前向きに議論したい。
2,物置及び漬物小屋の修理工事
9月月報でも述べたようにこの小屋は大半の木材は廃材(母屋 蔵などの)が用いられているため、その傷みもひどく修復工事の中でも最も難工事が予測されていた。 当初大正時代の建設かと思われたがもう少し古い明治初期の工事ではないかと思われる。





写真―1は柱の弱くなった下の部分を根継加工で補強し、写真―2の軸部加工で建物の安定性が強化された。 さらに写真―2の軸部の強化を図ることで、目的である100年の耐久性が得られたのではないかと思っている。
建物基礎部分をしっかりさせ、さらにX型の筋交い構造補強を実施して建物の軸部を補強し(写真-3,4)野地板貼りを行っている。(写真―5)



建物の外側工事ができたので内部工事’写真―6、7、8)と庇の部分の工事を行った。



この工事は今回の修復工事で細部にわたり注意すべき工事なので修復工事の手順通り写真を多く使ってわかりやすくするよう工夫しました。 この工事の要点を下記しますので写真を見なら進めてください。
① この建物は廃材で作られたため解体すると柱 梁の傷みが目立ったためそのまま使えるもの少なく、またすべて新しい
素材に変更すべきものでもない(修理の原則はできるだけ使用可能な材料は使用していく)ので各種の補強工法が施されている
② したがって写真―1のように基本の柱は根継加工を施し強度を上げる工夫をしている
③ また再建組立するとき写真―2のように軸部の強化を行っている。
④ さらに写真―3-4のごとく組立時補強組立、内部の部屋工事でも各種補強工事をしている。(X型筋交いこうじ、他)
⑤ 解体中にシロアリの発見もあり防蟻処理をしている。 写真―9
⑥ そのあと屋根工事でルーフィングして雨漏り対策している。 写真―10
3、木小屋の工事

4、土蔵の工事

土蔵の中に畳が入り工事がほぼ終わった。今後工事のために外に出しているタンス、物入 本だな などの置く位置を決めて物の納入を近日開始の予定である。
5、今後の予定
11月には共通の仮囲いの撤去 搬入路復旧(勝手口門~母屋) 雨水排水路の整備 土間整備、(勝手口)竹侵入対策 漬物小屋の仮設解体 木小屋の内部整地、 ラスカット・下見板設置、等の孤児を行う予定である。



