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重文奥家住宅 茅屋根 蔵 木小屋 外回りの漬物小屋の修復工事状況報告 1月月報

1、 はじめに


 先月の月報で報告通り文化庁の西山技官の指導で木小屋・蔵の修復工事の基本方向が決定したので、1月から修復工事に入る予定であったが、木材の到着遅れで若干スタートが遅れた。3週目に木材が到着したため現在木材を検査中である。終了次第修復工事にかかる予定である。




2、 茅屋根の屋根の頂上に取り付ける‘ちょんまげ’(安芸の屋根の飾り)の竹の準備


 竹の根元からの掘り起こし
 竹の根元からの掘り起こし

掘り起こした竹の根を整形(奥のほうにちょんまげ型の丸く整形した根がある
掘り起こした竹の根を整形(奥のほうにちょんまげ型の丸く整形した根がある

左の写真は孟宗竹を根から掘り起こし、そのあと根を整形し屋根の上を通し屋根の飾りとするこの地方の茅屋根の飾りである。 この飾りは播磨地方にも存在するらしい。


3月から屋根の工事(挿し茅)に入るため、竹の根のしっかりしている冬に採取するとよいといわれている。そのため竹の採取を早めに行った。


屋根の工事が完了後おひろめいたしますのでおたのしみに!




3、土蔵の置き屋根について


今月は資材到着遅れで工事が滞っているため土蔵の屋根(置き屋根)についてお話しします。


置き屋根は土蔵の屋根に多く使われていました。


奥家の土蔵の屋根がまさしくこの構造で、土蔵の木の天井の上に壁土を塗りその壁土が土蔵の中への空気の流入を遮断する。


さらにその土に石(土台となるようなしっかりした石)を埋め込んで(置く方法もある)、この石のうえに屋根の本体を置く構造である。(石が置き屋根を支える)


そのため土蔵の本体と屋根の間に通風構造ができます。ただし台風などの強風には弱い面がある。

この構造により土蔵の中の温湿度は年間を通じ大きく変化せず、特に湿度の低い環境ができます

普通の部屋に置いておくより書類 絵画 本などの紙類の長期保存には向いているといえます。




4、二月の予定


修理用資材が搬入されたので1月末より木小屋・土蔵の修復工事に入るので、2月の月報はそれが主体となります。

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